「世の中には『読んでいない』のに断定的に批判してしまう人が多い」
ということが本当によくわかる事例だ。
いや批判していけないのではなく、実際にその問題となった記事を読むまでは「自分の意見が浅はかである可能性」を残して語るのが賢明だろう。
曽野綾子さんのこの1件についてNaverまとめがあったのでよく知らない人はこおを参照されたい。
曽野綾子さんのゲスすぎる産経新聞コラムが英訳されNYT記者が紹介
その問題と成る記事を読んで感じられたのは、「南アを含む欧米社会」の「琴線と実際的ではないお花畑のヒューマニタリアンな普通の日本人」と「世界のいろんな地域を実際に上から目線で見続けてきた曽野綾子さんの視点」が出会う交差点だ。明らかに「Racism(人種差別主義)」と呼ぶのは言い過ぎだし、Naverまとめのこのタイトル自体が”ゲス”だ。
曽野さんの視点は実見してきた民族の多様さとそのギャップに「乗り越えることは難しい」というある種の諦観があるようで、これを批判する欧米メディアは「議論の余地無く固定的で触れてはいけない(表現の自由よりも優先される)話題」であり、ヒューマニタリアンなごく普通の日本人は、体験せずに想像されるギャップを「いくらなんでも同じ人間」と甘めに見立ててやさしさによって非難ということになっているのではないだろうか。
南アフリカ政府としては彼らのガバナンス上の正当性に根ざすことなので、話題に上れば非難せずにおれないということだろう。
私の意見は「日本に来て働こうとする人だからこそ、ある程度の柔軟性を持とうとするだろうし、そもそもギャップの大きさは様々なので世界の隅々まで一様に捉えることは馬鹿げている。差別や蔑視ではなくギャップによるジャッジで、フィージビリティを確認しつつ日本での就業を許可し、許可後は基本どこにでも住めることにし、「むしろ外国人だから住めない」とする人たちを処罰、外国人住民のコミュニティでの行事への参加を義務化し、なるべく集住させない分散型居住を促す施策をすべきだろうと思う。
ただ、いま建設業の人手不足が顕著であり、技能実習生という名目で安くて捨てやすい外国人をフィルター薄く使役することがますます増えていきそうな風潮で、犯罪者が入り込んだり、今後進むインフレ故の困窮から犯罪に走る外国人労働者が増える可能性も考えるとそれでいいのだろうかという自信のなさは残る。
シンガポールでは国民の90%は持ち家で、80%は国家が運営するいわば公団住宅に住んでいるのだが、主要民族である中華系、マレー系、タミール系がそれぞれ固まって集住することがないよう、国民の民族構成比率に応じてそれぞれの公団住宅一棟一棟にそれぞれの民族が配されるよう配慮されているんだ。これは文化的側面が時代とともに混ざり薄まりするだろうが、遠くの親戚よりも隣人という意識がうまれ、また毎日顔を見て習慣を長年見かけることで理解と諦めが進み結果社会の安全が最低限保たれるということになるということでしょう。
ただ外国人労働者の場合はメードならばシンガポール人家族の家に住み込み、建築現場などのワーカーは郊外の専用宿舎などに寄宿している。
南アフリカは民族間のギャップが大きすぎるのか、どうなのか、シンガポールのような施策は取られていないようで、アパルトヘイト後も白人と黒人は別々に暮らしている様子(行ったことはなく実際はわからないが)。
この記事を読んでそう思った。
「『半径200mで強盗にあう確率150%』『バスの乗客全員が強盗』など南アフリカ・ヨハネスブルグの都市伝説は本当か? [橘玲の世界投資見聞録]」
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